一人のアイドルが死んだ日
去年の4月10日がファンとして初めて迎える4月10日でした。
そこで私はあの中野のセレモニーを思いながら絵を描き、”アイドルの”早見あかりさんに対する感謝の意を述べました。
それから1年。
去年その呟きを投稿したときに思いました。
今回は自分的には初めての機会だったけど、これから毎年命日のように当時を経験していない自分が思うのは何か違ってる。
来年以降は触れないでおこう。彼女の未来だけを思うべきだ。
あの頃は…と振り返るのは、11年時点で並走していたヲタの方の役割なのだから、その方達に任せておけば良い。
そう胸に決めて今日1日過ごしてきましたが…やっぱり触れずにはいれないみたいです。
ここ数日、趣味で作っている動画を春休み中に完成させようと、集中的に2010年度のももクロの動画を見返していました。
自分としては去年のある時点で、「今の5人こそがももクロだ。もう6人時代を投影することなく、ももクロはももいろクローバーZとして楽しむことが出来る」と実感したつもりでいました。
でも、昔の動画を見たことでやはり揺らいでしまいました…
MC中もライブ中も打ち合わせ中も目で追ってしまうのは青の子です。
地声が低いようで急にキンキン声で騒いだり、男前などSMCを繰り広げたりする様子を見ると笑みが止まりません。
苦しみもがきながらも、うなるような切迫感のある低音で歌い上げる様
目線と腰使いで魅せる妖艶なダンススタイル
そのライブパフォーマンス一つ一つが私の心を捉えて離しません。
その姿は正に、私が一番大好きなアイドルさんの姿です。
このように書くと、私が、今の彼女の仕事に不満を持っているだとか、彼女にもう一度アイドルをやってほしいと願っているかのように思われるかもしれませんが、そういうことではありません。
私が彼女を好きになってから、その活躍に胸を躍らせた日々は絶対に無下にしたくないですし、女優の道を着実に進んでいる彼女を見つめ続ける未来はこの上ない幸福であると確信しています。
ただ、”アイドル・早見あかり”はもうどこにもいません。どんなに逢いたいと願ってもそれが叶うことは無いんです。その事実がとてもとても残念で、苦しいんです。
これは自分独自の認識でもあるのですが、現代アイドルという存在は自身の24時間365日をパッケージ化し、そこにファンが物語を載せていく余地を存在させている点を売りにしていると思っています。
そしてその特性はその他の似た職業である俳優・モデルに要求してはならないものです。
つまりアイドルにとっての「プライベート」はその他の職業より範囲が狭くなります。
所謂オフショットも、前述のパッケージの一部と成りうる故、厳密に言うとその他の職業の方のそれとは異なるだろうと考えています。
先程言った「アイドル・早見あかりはもう居ない」というのはそういう事です。
無邪気に笑う彼女ならウレロシリーズを始めとする各撮影のメイキング等で確認できますし、今後歌やダンスを披露する仕事が来るかもしれません。
ですが、その姿はアイドルではありません。アイドルとしての彼女は間違いなくあの日あの場所で消え去りました。いくら似ていても異なるものだと思うのです。
だから私は思います。アイドルとしてのあなたに会いたかったな、と。
青いグッズをいっぱい買いこんで、洋服も青ベースで仕立てて、青いサイリウムを振り回してあなたの名前を叫んでみたかった。
胸を張って私の推しはこんなにも素晴らしいんだ、と満ち足りた気持ちでステージを見つめられたらどんなに楽しかったことでしょう。
現在のももいろクローバーZだって大好きなんです。ライブだって楽しいし、彼女ら5人の人柄の素晴らしさに感銘を受けたことは一度や二度ではありません。
でも、本当の本当に正直なことを言うと、ライブに出かけている時、どこかで嘘をついているかのようないたたまれなさをふとした瞬間に感じてしまうことがあります。
私が紛れもなく、どうしようもないくらいに心酔している子は、その場には居ない。
私はももいろクローバーZを好きになって、アイドルの早見あかりさんを好きになって、それから女優の早見あかりさんを好きになってしまいました。
クローバー時代に興味を持たず、ももいろクローバーZだけを好きでいられたら、
あるいは、女優としての彼女のみを見つめ、アイドル時代の彼女に関心を持たないでいられたらもっともっと気楽だったと思います。何でこんなに好きになってしまったのか…
でも、好きになってしまったのだから仕方ないですよね。理屈じゃないんです。
来年以降、自分がどのような心持ちでいるのか見当が付きません。
出来ることなら、4月10日という日を別段意識せず過ごすのが理想ではありますが、難しそうです。
しつこいようですが、私は今現在の彼女の活動を否定する気は微塵もありません。
ただ、今日一日TLを眺めながらずっともやもやと抱えていた胸のつかえを、吐き出したくなってしまっただけです。
彼女が私の目の届く場所にいてくれる今に感謝して、今日はこの辺りで筆を置こうと思います。